オランダが台南を統治していた時代、当時オランダ領だったインドネシアのバンダ諸島から連れて来た奴隷。
台南のひっそりとした路地には、彼らがいたことを示す遺構があります。
烏鬼井(Black Ghost Well)です。
烏鬼井 Black Ghost Well
オランダが安平に築いたゼーランディア城(安平古堡)の史跡記念館にて、興味深い記述を見つけました。
During the Dutch governance, the Dutch brought slaves to build fortresses and dig wells.
These slaves were natives from Banda Island with dark skins and good at swimming.
オランダは当時植民地としていたインドネシアのバタヴィアから台南まで赤煉瓦を運び、ゼーランディア城の城壁に利用します。
彼らが船で運んできたのは、赤煉瓦だけではありませんでした。
烏鬼(Oo-kui-a:Black Ghost)と呼ばれた奴隷です。
彼らはゼーランディア城(安平古堡)やプロヴィンティア城(赤崁楼)の築城に従事し、1653年には台南の自強街近くにある通りに井戸を掘削します。
井戸の名は烏鬼井(Wuguijing)。
当時台南に住んでいた漢人は、その姿から奴隷を烏鬼(Oo-kui-a:Black Ghost)と呼びました。
1662年、ゼーランディア包囲戦で明の鄭成功がオランダを破って条約を結ぶと、オランダ人とともにオランダ東インド会社の所有物だった奴隷たちも台南から姿を消しました。
彼らの詳細を知る手がかりは少ないですが、今も彼らが作った遺構は、鄭氏台湾、清国、日本統治時代を経て、今もなおこの地に残っています。
烏鬼井の行き方・アクセス方法
赤崁楼から徒歩10分。
清朝時代、台南府城の外部へと抜ける通り道だった「新美街」を抜けていくのがおすすめです。